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何が生まれるにも「今この場所」で、という想いを込めています。組織開発、人材開発において、気づきを与え、何かが生まれる場所を目指しています。

学生よ!理念経営かつボトムアップの組織に入ろう!!〜『経営は何をすべきか』ゲイリー・ハメルを読んで〜

ゲイリー・ハメルの『経営は何をすべきか』を読み始めた。第1章は、「いま理念が重要である」と書かれてある。

書籍の中を少し紹介しながら、理念経営の大切さや理念経営遂行にはボトムアップの組織風土が欠かせないことなどを見ていきたいと思います。

学生さんには、企業選びの参考としても読んでほしい。

経営は何をすべきか

経営は何をすべきか

 

 

リーマン・ショック後、改めて見直される理念経営】

2008年世界中を混乱に陥れたリーマン・ショックからはや5年、ようやくその傷が癒えはじめた中で、組織は理念を軸に置いた経営への転換をはかっています。それを物語るかのように「社会的責任」ファンドへの投資が増えているといいます。

リーマン・ショックを青年時代に経験したソーシャルネイティブ時代の若者は、金儲けそのものへの憧れを失くしました。そういう意味で、最近入社する若者はいたって堅実であり、多くを求めなくなりました。

そういう意味では、組織もこれから社会に出る若者も足並みが揃っているかのように思えます。では、最近の新卒は入社して幸せなのでしょうか?と言ったら、そんなことはないと思います。組織運営はそこまで簡単なものではありません。

 

トップダウンの理念経営は偽善的?要注意!?】

 ハメル先生は、リーマン・ショックの原因を「モラルの崩壊」と位置づけています。

モラル崩壊の原因は、誰もを悩ます低俗な自己中心癖にあるように思う。私たち全員の内では、浅ましい自己利益と信念にもとづく無視の心が、日々互角に張り合っている。良心が常に勝つとはかぎらない。さもなければ、「罪」という概念は決して広がらなかっただろう。

 このように理念経営を貫くためには、組織的に倫理や道徳心を保つ必要性がある。

資本主義は自己利益によって活気づくが、道徳的な自己規律をとおして抑制を効かせないと、容易に欺瞞に満ちたものになってしまう。

 ここで問題になるのは、経営者が「セルフ・マネジメントによって」道徳心を保てるかどうか、である。 

僕の考えは明確だ。それは「非常に難しい」ということだ。僕は100社以上の支援実績や自身が属する組織において、強烈なトップダウンの社長がいる組織では、不祥事の発生や現場が感じる倫理や道徳心は潰されてしまう可能性が高い。

そのため組織・人材開発領域の研究で、トップに物言える優秀な2番手の重要性やトップ自身の内省の必要性が説かれてきた。僕の前職でも、経営者だけが集まってフィードバックをし合う公開セミナーも存在した。

成功を目指すと思いやりを忘れかねない。競争をしていると、同僚、従業員、株主、顧客を、自分の野心を満たすための脇役、あるいは必要に応じて利用・搾取と見なしはじめる。…成功を手に入れると、思いやりを失う。自分の行動が人々にどう影響するかが見えなくなってしまうのだ。

 

【理念経営に現場から参画できる組織へ】

上記のことからも、ぜひ理念経営を行いつつも、謙虚で誠実な経営者のところでお世話になろう。時代は変わってきている。以前のBlogでも書いたように、企業に頼らずとも自分自身でできることが増えている。 

組織の悪行は、ソーシャルメディアを通じて晒され、透明性の高い経営が求められている。透明性の高い経営を行うためには、経営者ひとりの視野では狭すぎる。経営チームのオープンネスが存在するか、ボトムアップ経営か、経営者が謙虚で誠実かをしっかりと確認するべきだと思います。

また、組織・人材開発を支援する自分としては、どういう組織をひとつでも増やすことが必要だと思います。自分自身が、怖くても組織内で声を発する。実学をとおして、理想の組織をつくっていきたいと思います。

では、またの思考の旅へ。

 

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